厚生労働省 令和元年度障害者総合福祉推進事業
精神保健福祉士を含むソーシャルワーカーの必要性は、ますます高まっています。「地域共生社会の実現」は、いまや福祉業界のみならず国を挙げての課題となり、ソーシャルワーカーである私たちは、その担い手として期待されるべき立場にあることを自認しています。
一方、2020(令和2)年3月は、戦後日本がこれまでに体験したことのないようなウイルスの感染防止対策を余儀なくされました。行事予定の変更・中止など臨機応変な対応を求められたり、偏見や差別の助長や先行き不安による生活必需品の買い占めなど、情報と誤認に振り回され、健康維持が国民全体の使命感となっていきました。メンタルヘルス不調を抱える人の増加も懸念されます。このような状況であればこそ、自分らしい暮らしを送ることの重要性を再確認し、周囲と助け合える社会の実現は渇望されていると言えます。
さて、公益社団法人日本精神保健福祉士協会(以下、「本協会」)では、昨年度に引き続き、令和元年度障害者総合福祉推進事業として「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築及び地域共生社会の実現に向けた精神保健福祉士の資質向上の在り方等に関する調査研究」を実施しました。これは、2018(平成 30)年 12 月より、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課で開催されていた「精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」の協議内容を意識しながら、精神保健福祉士の養成と卒後研鑽に関する実態把握と好事例分析を行い、今後に向けて提言することを企図したものです。
本協会は、精神保健福祉士の全国組織として 2008(平成 20)年度より生涯研修制度を実施していますが、これとは別に、各教育機関や都道府県の職能団体では各地域の特性に応じた専門職養成や卒後研鑽が展開されています。また、精神保健医療福祉の各機関・事業所においても、専門職である精神保健福祉士の力量向上のための取り組みがなされています。これらの個人レベル、職場レベル、地域レベルと多層に展開される特徴を抽出し、より多くの機関・団体の参考となる知見を提供し、また国や地方公共団体におけるバックアップの要請に資する成果を報告書としてまとめました。地域の特徴や、各立場における従事者の熱意や力量に支えられた属人的要素も含む多様な活動を基盤としつつ、支援を要する人々や社会に向けて、精神保健福祉士一人ひとりがより良く機能し貢献できることを願います。そのため、本協会は、専門職としての研鑽を恒常的に支援する仕組みの構築に向けて今後も尽力したいと考えます。
事業の実施には本協会内に設置した「精神保健福祉士養成在り方教育検討委員会」のメンバーが中心的役割を果たし、さらに研修センター内の3委員会委員長の協力を得ました。多忙な本務の合間に尽力くださった皆さまをはじめ、本事業にご協力いただいたすべての方に心より感謝申しあげます。
2020年3月
公益社団法人 日本精神保健福祉士協会
副会長 田村 綾子
一括ダウンロード(PDF/7.6MB)
内容 | サイズ | |
表紙 |
表紙〜もくじ | 1.8MB |
第1部 事業目的等 1.本事業の背景 |
P1〜8 | 1.4MB |
第2部 精神保健福祉士資格取得後の継続教育や人材育成の在り方等に係る量的調査の結果及び考察 1.精神保健福祉士養成課程を持つ学校・施設の教員を対象としたアンケート調査 |
P9〜78 | 2.9MB |
第3部 精神保健福祉士資格取得後の継続教育や人材育成の在り方等に係る質的調査の結果及び考察 1.質的調査の概要 |
P79〜128 | 2.1MB |
第4部 精神保健福祉士資格取得後の継続教育及び人材育成に係る効果的な実施体制の構築に向けた提言 1.本事業の総括 |
P129〜138 | 1.0MB |
資料編 1.精神保健福祉士のキャリアラダー(暫定版) |
P139〜奥付 | 2.2MB |
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