「障害者手帳に基づく福祉サービスに関するモデル調査」報告書


はじめに

  2005(平成17)年の障害者自立支援法成立に伴う精神保健福祉法の改正により、2006(平成18)年10 月から精神障害者保健福祉手帳にも本人であることを証するために写真を貼付することになった。厚生労働省は、写真貼付がないことで本人確認が難しいため、公共機関の割引などが得られにくいことを改正の趣旨としていた。

 従来、身体障害者手帳、療育手帳により得られる割引や助成制度と精神障害者保健福祉手帳により得られる割引や助成制度との間に格差があり、精神障害者にとっては、同じ障害者でありながら公平性に欠けるものであった。格差を生み出した一つの理由が、写真貼付であった。写真貼付を機に、精神障害者保健福祉手帳でも他の2 つの手帳と同等の割引や助成制度が受けられ、精神障害のある人の生活の充実がより図られることが求められる。

 そこで、本協会では、障害者手帳による割引や助成制度に障害種別間でどのような差異があるのか、また、地域間でどのような差異があるのか、その実態を明らかにし、障害種別間での格差を埋め、精神障害者保健福祉手帳制度に基づく福祉サービスの拡充に向けた基礎的な資料を作ることとした。

 まず、同一県内においてどの程度の差異があるか、大都市もあり、田園地帯も残る神奈川県をモデル県とし、調査を実施することとした。市町村が実施している割引や助成制度を中心に、民間企業等で行っている割引やサービスについても可能な範囲で調査することとした。また、調査で得られた情報は、神奈川県内で精神障害のある人の支援に携わる精神保健福祉士及び、関係者にも今後の神奈川県内での精神障害者保健福祉手帳制度に基づく福祉サービス拡充に向け役立てていただけるよう、各市町村独自のサービスなど、多岐にわたり回答をいただくことにした。

 今回、神奈川県内全ての市町村よりご協力をいただき、回答を得ることができたことにより、貴重な資料を作成することができた。改めて感謝申しあげたい。

社団法人日本精神保健福祉士協会
神奈川県精神保健福祉士協会


一括ダウンロード用データ(A4判・62頁/PDF/1.8MB)


「障害者手帳に基づく福祉サービスに関するモデル調査」報告書
もくじ

はじめに

「障害者手帳に基づく福祉サービスに関するモデル調査」報告

1 調査の目的
2 方法
3 結果
   資料1 モデル調査票
4 考察
   資料2 神奈川県の人口と世帯
   資料3 神奈川県における精神障害者保健福祉手帳所持者数
   資料4 市町村が独自に実施しているサービス一覧

障害者手帳で受けられるサービス一覧

1 全国一律に実施されているサービス
2 神奈川県が独自に実施しているサービス
3 民間企業が実施しているサービス
4 市町村が独自に実施しているサービス
   1.交通・移動に関するもの
   2.住まいに関するもの
   3.助成金に関するもの
   4.その他の市町村独自サービス

おわりに


精神保健福祉部 精神保健医療福祉委員会
(2010年3月31日現在)

部長 小関 清之(木の実町診療所/山形県支部)
委員長 白石 直己(やどかりの里援護寮/埼玉県支部)
委員 池田 千穂(静岡県中部健康福祉センター/静岡県支部)
委員 井上 大輔(丹沢病院/神奈川県支部)
委員 尾上 義和(神奈川県支部)
委員 菅野 直樹(福島赤十字病院/福島県支部)
委員 澤野 文彦(沼津中央病院/静岡県支部)
委員 鈴木 篤史(杉戸町障がい者就労支援センター/埼玉県支部)
委員 西村 由紀(メンタルケア協議会/東京都支部)

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