機関誌「精神保健福祉」

通巻116号 Vol.50 No.1(2019年1月25日発行)


目次

[巻頭言]
第54回公益社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会/第17回日本精神保健福祉士学会学術集会開催後の思い/稗田 幸則

[特集]第54回公益社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会・第17回日本精神保健福祉士学会学術集会報告集

[特別講演]
精神保健医療福祉施策の動向/寺原 朋裕

[基調講演]
メンタルヘルスソーシャルワークへの挑戦─我々は社会の病理に立ち向かえるか?/柏木 一惠

[記念企画・シンポジウム]
これからのメンタルヘルスの課題─精神保健福祉士に期待すること/門田 光司・松本 桂樹・西脇健三郎・今村 浩司

[市民公開企画:対談と映画上映]
映画制作から見えた我が国の精神保健医療福祉の到達点と課題 映画「夜明け前 呉秀三と無名の精神障害者の100年」 /藤井 克徳・今井 友樹・柏木 一惠

[分科会1]
(1)退院支援の取り組み
(2)精神保健福祉士の「業務」
(3)子供にかかわる
(4)鍛える
(5)多様な取り組み
(6)地域で支える

[分科会2 ]
(1)地域包括ケアの構築に向けて
(2)司法ソーシャルワーク
(3)ピアとの協働
(4)チームアプローチ・連携を探る
(5)実践を振り返る
(6)多様な調査研究

分科会の全体講評とまとめ
ポスターセッション

[プレ企画]
1 精神保健福祉士の「育ち続ける力」とは─資質向上をともに考える
2 Let’s Practice!! 精神保健福祉士の思考を言語化する─思考の可視化を意識した実践とソーシャルワーク記録
3 メンタルヘルス問題のある親への生活と子育ての支援─精神保健福祉士として、できること・しなくてはならないこと
4 「支援する−される」という関係性を越えて─ソーシャルワークにおけるピアスタッフとの協働に向けて
5 起業型精神保健福祉士による資源開発と経営

・投稿要項


巻頭言

第54回公益社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会/第17回日本精神保健福祉士学会学術集会開催後の思い

第54回公益社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会・第17回日本精神保健福祉士学会学術集会 全国大会・学術集会長 稗田 幸則

 長崎で初めて開催した大会で、お引き受けをしてから2年半があっという間に過ぎ、経験のなさから、無我夢中で取り組んだ日々でしたが、無事大会を終え、長崎県支部全員が心地よい充実感を感じています。

 前々回の山口大会、前回の大阪大会に参加し、さまざまなご教示をいただいたことに感謝しております。が、しかし、とくに大阪大会の規模、組織運営、企画、内容など、どれをとっても、とても長崎にはまねができないと感じ自信をなくしておりました。そこで改めて「長崎らしく」をコンセプトにシンプルな大会運営を心がけてまいりました。

 今回、一番苦労したのは大会テーマ「メンタルヘルスソーシャルワーク実践の深化〜パラダイムの再考〜」を決定する過程でした。運営委員会、企画委員会で多くの時間をかけ、議論の末に決定いたしました。現在の精神保健福祉士の活動が、医療、福祉から教育、産業、司法へと領域も拡大し、それに伴い、ストレス関連疾患、依存症、自殺、虐待、ネグレクト、DV、いじめ、不登校、ひきこもり、休職、過労死など、いわばメンタルヘルスの課題を抱える人々へのかかわりが増えており、今大会でメンタルヘルスソーシャルワークについて考える起点となればとの思いは、十分叶えられたと思っております。我々精神保健福祉士は、従来から社会的使命として精神障害者が社会の中で普通に生活することにかかわってきました。その困難さも知る精神保健福祉士だからこそ、今後もメンタルヘルスの課題を抱える人々や社会にかかわるべきであるとの思いを一層強く感じた大会でした。

 最後に運営委員会、企画委員会、本部事務局、そして何より、九州・沖縄ブロックの皆様方のご尽力によって本大会を大過なく成功裡に終わることができました。皆様方には深く感謝を申し上げます。


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